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聴く!技術士二次試験

​論文のツボ

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東日本大震災発災の前日に発売された本書は、これまで技術士二次試験の多くの受験者の道しるべとしてご愛読いただいてまいりました。

現在、本書はその役割を後継の『聴く!技術士二次試験一発合格のツボ』に譲りましたが、ここで、本書に収録したコラムを公開いたします。

Column1  “いつか”という将来は,決してやって来ない

「いつかは・・・英語をぺらぺら話せるようになりたいなア」

これは,英語ができない誰もが夢見ることではないでしょうか。私もご他聞に漏れず,中学生の頃からこのように思い続けていました。

「いつかは・・・」と,夢見ていたのです。

以前,アメリカで研究発表をする機会が与えられたことがありました。もちろん英語での口頭発表で,パワーポイントにまとめた研究内容を15分間で説明して,その後,5分間質問を受ける,というものでした。

その発表を私が行うことが決まってから私が痛感したのは,

「ああ,英語,きちんと勉強しておけばよかったな・・・」。

しかし,もう,本番まで数ヶ月を残すのみだったので,付け焼刃で英語をマスターする時間はなく,そのような後悔の中で迎えた本番・・・。

本番の口頭発表こそは,当時の職場の非常に英語が堪能な先輩技術者の方に徹夜で読み原稿をチェックしていただいていたので,わたしはそれをただ歯切れ良く演じるだけでよかったのですが・・・。

問題はその後・・・。若いころから英語に夢を抱いていた私は,外国人からの英語での質問に,全く答えることができませんでした。

最悪の絶句状態です。

その悔しさたるや・・・その直後の私には,並々ならぬものがあり,「チキショー!」と思いながら・・・,そのまま一年以上が経過してしまいました。

かつて「いつか」と呼んだ将来は,未だにやって来ていないのです。

技術士試験でも,「いつかはちゃんと本腰入れて勉強しなきゃなあ・・・」などという人を,あなたも見たことがあると思います。

しかし,残念なことに,この「いつか・・・」という将来は,多くの場合,訪れることはありません。訪れてもらうためには,「今年,合格するぞ!」といったように,明確な期限設定をすることが必要なのです。さらに言うと,将来のぼやっとした目標を,今日の,そして明日の具体的な行動にまで落とし込む計画性と覚悟,これも必要です。

そうすることで,単なる妄想が,あなたの具体的な行動を呼び起こすガソリンに早変わりするのです。

Column2  あなたの給料が安い原因

よく,職場の待遇が悪いことに不満を募らせて,「経営陣がダメだから俺の給料が安いんだ!」などと会社に対する愚痴を言う人がいます。

しかし,本当にそうでしょうか・・・。

そもそも,会社は株主のため存在しています。会社は株主の出資を前提に成立していますので,当然株主に対してはリターン(配当)が必要になります。出資というリスクを冒してくれているわけですから,当然です。

このような会社にとって,社員は利益を上げるための“道具”に過ぎません。ですから,会社は株主のために利益を上げようと“いい道具”を手に入れようとしますし,“悪い道具”は手放そうとします。

解雇というのは道義的な問題がありますが,その裏返しである新規採用の抑制,コストである給与の圧縮などは,きわめて合理的な調整方法なのです。

それに,あなたは「働けばお金がもらえる」と思っているかもしれませんが,労働はそんなにすぐにはお金に変わりません。労働を換金するには,それを社会の需給システムに組みこむという至難の業が別途必要になるのです。

山で薪を拾っても,それはお金ではありません。それを街に運び,通りすがりの人に売って初めてお金になるのです。通りすがりの人に売る行為は,確実な方法がないという点で,山で薪を拾う行為よりも難易度が高いのです。

その重大な役割を担ってくれているのこそ,他ならぬ会社なのです。

会社がなければ,あなたの労働は,どんなにグレードの高いものであれ,換金できないという点で,社会経済において何ら値打ちがないのです。

あなたの給料が安いのは,会社のせいではありません。社会のせいでも,ありません。そう。あなたのせいなのです。具体的に言うと,そのような待遇の会社を選んだ,あなたの責任なのです。

だからといって隷属もしくは転職を進めているわけではありません。

強調したいのは,給料が安いということも含め,何かうまくいかないことの原因を,あなたの外部に求めているうちはあなたに成長はない,すなわち状況に進展はない,ということです。

会社に隷属せず,あなたの現状の全責任をあなた自身に求めることで,会社に依存しない,自立した思考・行動が実現できるということなのです。

Column3  成功の「かきくけこ理論」

きっとあなたもそうだったように,私自身もこれまでにいろいろな紆余曲折を経てきました。

私の場合,成功体験よりも失敗体験のほうが先で,しかもかなり多かったような気がします。そして,そのような紆余曲折の中で,自分の現在,また自分の将来についての未充足感から開放されることはありませんでした。

そして,悩みに悩んだ挙句に辿り着いたのが,次の心境だったのです。

「悩んだら,“どうせ死ぬんだ”ということから考え直してみる」

「人の意見には惑わされず自分の意見を大事にする」

ものごとに悩んだとき,人生の中で唯一確定していること,すなわち“いずれ死ぬ”ということから考え出すと,意外なほど悩みが解消されていきました。そして,どうせ死んでしまうのだから,自分自身が満足するような価値観を自分で決めて,それにしたがって生きようと思うようになったのです。

そんな私は,こう考えています。人生の値打ちを高めたければ,

   か:「あれがダメ」な理由を“考え”

   き:「これが原因なんだ!」と“気づき”

   く:「これならイケル!」という策を“工夫”し

   け:「だからボクはこれをヤル!」と“決断”し

   こ:さらにホントに“行動”しちゃう・・・

これを実践することで,はじめて自分を変えることができる,と。

行動を伴わない思考は,いかに優れたものでも,何ら,価値はありません。そして,“考え”を“行動”にまで昇華させるためには“決断”が必要であり,その決断を促すための“工夫”と,そもそもの“気付き”も不可欠なのです。

もしあなたが,これを実践しようとするなら,人がどう思うかなんて,一切気にする必要はありません。というよりも,気にならなくなります。人の意見よりも,自分の意見のほうが信頼できるように感じることになります。

すなわち,自信をもつことができるようになるのです。

そうすると,驚くほど自分の価値観が変化していきます。1週間前までのあなたいかに愚かだったか,ということに気づき,驚愕することになります。

さあ,実践していきましょう。あなたを成功に導く「かきくけこ」理論を。

Column4  筆記試験直前の七か条

筆記試験直前に注意すべきことは,なにも学習の中身だけではありません。むしろ,学習以外の部分,すなわち試験本番であなたのもっている全ての実力を発揮できるような“環境整備”、これも大事なのです。

そこで,あなたが筆記試験までに残されたわずかな時間を過ごす上での注意点について,7つご指摘いたします。

第一条:遠慮せずに試験直前は休暇をとる!

あなた自身が最高の状態で試験に臨むことが何よりも重要です。試験前日,もしくは前々日からは,遠慮せずに休暇をとりましょう。

 

第二条:一度,試験会場にいってみる!

試験の数日前にはかならず試験会場へ足を運んでおきましょう。現場の臨場感によって,あなた自身の“スイッチ”がパチン!と切り替わるはずです。

 

第三条:模擬試験で“真っ白”を体験しておく!

模擬試験で“こりゃ,こまったなあ”という状況から解答を作り上げる経験をしていれば,仮に本番でそのような状況に陥っても冷静になれます。

 

第四条:セルフコントロールのための小道具を準備する!

ドリンク剤や濡れたタオルを準備することから筆記具の種類を変えるようなことまで,試験中の気分転換のためのあらゆる小道具を用意しましょう。

 

第五条:朝方へ移行する!

当日の朝にゆとりができれば,試験当日の睡眠不足や遅刻を回避できるほか,あなたの弱点をひとさらいすることも可能になります。

 

第六条:靴下を履いて寝る!

風邪をひかないことは,試験当日のベストパフォーマンスのためには絶対条件です。靴下を履いて寝た翌日と履かなかった翌日とでは明らかに体調が違うことを感じてみてください。

 

第七条:近くに神社仏閣があったら,一応,お祈りしておく!

あなたのモチベーションを高めるための儀式に過ぎませんが,運を天に任せる,というのは,あなた自身がやれる手段をすべてやりつくしたからこそ,できる行為なのです。

Column5  不合格は罪づくり

もし,生きるためのこの時間に値段があったとしたら,あなたならそれをいくらで買うでしょうか・・・?

ここで少し想像を巡らせていただきたいのですが,あなたが重い病気を患っているとして,主治医から「余命あと3ヶ月です」と宣告されたとします。しかし,あなたは生きる時間をお金で買うことができる,とします。この場合,あなたなら1年間という時間を,一体いくらで買うでしょうか?

おそらくプライスレスでしょう。だから,少しわかりやすく考えましょう。

日本人が一時間という時間の価値をいくらと考えるか,という調査があります。これによると,アメリカ人は約4万円なのに対し,日本人はかなり控えめな結果となっていて,平均して一時間を約9千円の価値とみなしている,との結果が出ています。

あなたが仮に前回の技術士試験に不合格だったとしましょう。そして,あなたの一時間を9千円として見積もり,技術士の学習にこれまで一日2時間,これを半年続けてきたとしましょう。

すると,2時間 × 365日 / 2 × 9000円/時間 ≒ 300万円,つまり,去年一年間に,気がつかないうちに技術士対策として300万円もの出費を負担してきていた,という勘定になるのです。

かなりの高額です。一日あたり1万8千円,一週間あたり12万円以上にもなる極めて巨大な投資です。

毎週毎週,ハワイに旅行するのをやめて,あなたは技術士の学習時間を獲得していたのです。毎日毎日ミシュランガイドの五つ星のレストランでディナーをほおばるのをやめて,あなたは技術士の学習時間を得ていたのです。そのくらい,不合格というのは,あなたの人生にとって罪つくりなのです。

この時間のロスを,多いに悔やみましょう。

さらに,前回試験で技術士に合格した方は,すでに新しいビジネスステージに立っています。あなたはそれに乗り遅れたのです。

この事実から眼を背けず,きちんと受け止めましょう。

それが出来ない限り,来年の今頃,今までと変わらぬ全く同じシーンを経験するだけですから。