総合技術監理部門 一発合格法

技術者としてのスケールに違いが出る総合技術監理部門 “総監” 技術士

総合技術監理部門とは技術業務をマネジメントする能力に関する資格で、プロジェクトの責任者である技術士が、業務遂行の中で遭遇するあらゆる問題について解決を図るにあたって、技術的側面以外の5つの管理(経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全性管理、社会環境管理)の観点から、トレードオフの問題なども含めて首尾よく解決に導くための資格です。

 

​多くの場合、受験するのはすでに別の技術部門の技術士ですが、ごく少数だけ別の技術部門を同時に受験する併願受験者がいます。総合技術監理部門の選択科目とは、こうした併願受験者が受験する別の技術部門の選択科目のことで、先願の場合、この選択科目はありません。

​そうした意味で、総合技術監理部門の受験資格はそれ以外の技術部門の二次試験と変わりません。

 

技術士二次試験に合格し、主任技術者として業務を意気揚々とこなすあなたが今後さらに目指すのは、技術士の各部門の中でも最高位にあるとされる総合技術監理部門でしょう。

総合技術監理部門を目指すくらいの経験を持つ年代であれば、通常は、技術士として一定の経験値を持ち、後輩技術者に対して指導的立場で様々な教育、管理を行う必要があります。

一方で、そのような技術士であれば、同時に企業や官庁の幹部という役割にある場合も多く、企業や官庁としての業務管理に対しても責任を帯びている場合が多いでしょう。

総合技術監理部門は、合格のメリットとして、給料が上がったり、合格だけで職位が上がるなどといった、目に見える違いは発生しません。しかし、こうした複雑かつ重大な責任を負っている技術士にとって、その責務を果たせるか否かを問われる、まさに「幹部候補生選抜試験」と言っても過言ではありません。

それまでの、各技術部門の技術士であれば、与えられた業務をただ淡々とこなせば評価されるのですが、総合技術監理部門に合格した総監技術士は、組織の幹部候補生として業務を各々の技術士に割り与えていく立場に変わることになります。

観念的な表現になりますが、技術士二次試験に合格して「人に使われる立場から人を使う立場へ」と変化が訪れたのち、この総合技術監理部門の合格を境に、さらに「組織から仕事を受ける立場から仕事そのものを授ける立場」へと、再びスケールの大きな変化があなたの中で巻き起こるのです。

こうした技術士としての大きな変化の醍醐味を味わうためには、総合技術監理部門の試験に合格する必要があります。

しかし、受験するのがほぼ他の技術部門の技術士として活躍している技術者がほとんどである実態からしても、そう簡単なものではありません。

総合技術監理部門の試験に合格するには、技術士として業務をこなす傍ら総合技術監理に関する多くに知識を習得するだけではなく、論理的思考に基づいた問題解決能力、さらにその実績が必要となります。

このような難しい試験ですが、実は、本講座であなたにお伝えする方法を実践することによって、大きな負担をかけずに合格レベルの知識、能力を身に着けることが可能になるのです。

林業

総合技術監理部門試験対策その1

オレンジジュース工場

総合技術監理部門試験対策その2

ローダ

総合技術監理部門試験対策その3

鉄道駅

総合技術監理部門試験対策その4

廃棄物管理

総合技術監理部門試験対策その5

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林業

総合技術監理部門試験対策その1

業務経験を「5つの管理」の観点から分析する

あなたが総合技術監理部門の技術士を目指す以上、「5つの管理技術」を理解しているのは前提でしかありません。問われるのは、それらを駆使して、現場で実際にどのように問題解決を行ったか、なのです。

首尾よく業務を完了させることが総監技術士の生命線

おそらく既に建設部門や電気電子部門などといった各技術部門の技術士であろうあなたが、これから総合技術監理部門の試験を受験するにあたって、

「総合技術監理部門の試験では、いったいどのような資質が問われるのか?」

ということをあらかじめ整理しておくのは、きわめて重要です。
つまり、トレーニングを開始する前に、ハードルの位置とその高さを調べておくことによって、より効率的に学習を進められるからです。

これについて、日本技術士会のウェブページに、技術士総合技術監理部門について以下のような記述があります。

令和二年度技術士試験合否決定基準(総監).png

ここにある通り、総合技術監理部門は、他の技術士二次試験と同様、選択科目と必須科目に分かれています。
ただし、受験者がすでに技術士なので、選択科目については、実際にはほとんどの多くの方が免除になっています。

ところで、“総合技術監理”などという名前をきくと、とてもとっつきにくい技術、とあなたは感じてしまうかもしれません。
したがって、このような総合技術監理部門をわかりやすく表現すると、
「プロジェクトを首尾よく完了するために、途中で起こる様々な障害に対して、5つの管理技術を適用しながら解決していき、そして当初の目的を達成する技術」
という表現になる、と私は考えています。
言い換えると、総合技術監理部門という資格は社会的、技術的な観点からバランス感覚のある技術者に与えられるもの、となりましょう。

あなたが既に取得している各技術部門の技術士資格は、その技術部門において「工学的な観点から深く広い専門知識にもとづいた問題解決技術力がある」ということを証明するものになります。
しかし、その技術を実際に適用する場合、なかなか机上の計算どおりに進まないことは、あなたもご承知でしょう。
実際に工学的な技術を用いて実際の業務を遂行していくにあたっては、単なる技術的課題のほかに
 「いかに経済的に済ませるか」
 「環境への負荷をいかに減らすか」
 「どのように安全を確保するか」
 「いかに人間関係を円滑にしていくか」
といった様々な制約条件に注意を払う必要が生じるのです。

そのような様々な現場特有の各種条件を背負いながら、既に技術士として担保されている工学的な技術力をあなたは発揮する必要があるのです。
実社会に厳然と存在する様々な障害の中で、業務上のトレードオフの問題をバランスよく解決していき、所定の目的を達成しようとするかが、総合技術監理の視点を持つ技術者かどうかの評価の分かれ目なのです。
つまり、どんな問題が起こったとしても、そこから逃げず、最終的に首尾よく業務を完了させることが、総監技術士の生命線なのです。
さらに、それをあなたの実績にもとづいて示す必要があるのです。
理解しているだけではダメなのです。

「5つの管理技術」の知識は総監技術士の要件の一つに過ぎない

このように、優れた工学的技術力に任せて課題の解決を図ろうとする観点だけでは、総合技術監理部門の技術士としては不十分なのです。
工学的見地から課題は解決できたとしても、決してそれが業務全般、そして社会として最良の解決方法ではない可能性があるからです。
総合技術監理部門の技術士にはそのような側面があるため、技術愛好家であるいわゆる「技術屋」にとってこの総合技術監理部門は合格が極めて難しい資格といえるでしょう。
技術力が問われるその他の技術部門とは、少し試験そのものの様相が異なるのです。

総合技術監理には「5つの管理技術」という代表的な概念があります。
これは、総合技術監理部門の背骨ともいえる非常に基本的なものではありますが、この「5つの管理技術」への理解は、総合技術監理技術士としての一つの要件に過ぎません。

総監技術士の生命線は、決してこうした「知識」に依存するものではありません。
それらに十分配慮して業務を首尾よく解決していこうという、あなたのひたむきで、したたかな姿勢こそが、総監技術士に求められる最重要事項なのです。

実は、あなたもトレードオフ解決の実績を十分に積んでいる

このように言うと、総合技術監理部門試験合格へのハードルを果てしなく高いものだと勘違いされてしまうかもしれません。

しかし、先に申し上げると、あまり心配する必要はありません。
先ほど挙げた総合技術監理部門の「5つの管理技術」といっても、上記のとおり、初めて聞くような特別なスキルではないはずです。
普段から意識しなければいけないことを少し難しく表現しただけ、といえなくもありません。
誰でも責任者という立場にいると、いわゆる「アチラを立てればコチラがたたず」という問題、これをトレードオフと呼びますが、こうした一筋縄ではいかない問題をいくつも抱えながらも、“うまく解決していく”ということを実践してきたはずです。

ただ、あなたが若手の技術者で、RCCMなどの資格も持っていないためにこれまでプロジェクトの責任者、もしくはそれに準じた立場を務めたことがないという場合、経済性管理や人的資源管理などあまり直面するチャンスは少なかったものと考えられます。
このような場合は、総合技術監理の技術力を養成、または発揮できるような体験を積めていないのかもしれません。
しかし、これを言い換えると、あなたが実質的な責任を負わされているプロジェクトをこれまでに一つでも持った経験があるのであれば、5つの管理を意識しなければならない場面もあったはずです。

このように、「5つの管理技術」を現場に適用してプロジェクトの円満な完了という成果を達成した経験があるか」ということが、総合技術監理部門の技術士としての重要な要件になるのです
あなたがすべきことは、これまでに問題解決のために無意識のうちにやってきたバランスをとるための思考や行為を、5つの管理技術のカテゴリーの中に落とし込んでいくことだけでよいのです。

実は、これが総合技術監理の本質なのです。

 
オレンジジュース工場

総合技術監理部門試験対策その2

総監マインドをセットアップする

実社会に厳然と存在する様々な障害の中で、業務上のトレードオフの問題をバランスよく解決していき、所定の目的を達成しようとするかが、総合技術監理の視点を持つ技術士かどうかの評価の分かれ目なのです・・・

総監技術士にはいずれ組織経営に携わる道が開けてくる

改めて、総合技術監理部門の技術そのものという角度から考えてみましょう。

 

技術士総合技術監理部門の「5つの管理技術」とは、経済性管理、情報管理、人的資源管理、社会環境管理、そして安全管理です。
これらの中には基本的に対顧客との中で有効な技術力とはいえないものがあります。
経済性管理(いかにお金をかけずにプロジェクトを遂行するか)、人的資源管理(いかに人を育ててプロジェクトを遂行するか)などというのは、顧客の側からすると、あくまでもプロジェクト内部の問題である以上、あまりピンとこないのは仕方がありません。
つまり、仮にあなたがこの資格を取得しているからといって、顧客側の利益はさほど変わりません。

※経済性管理について、いかに工法などを工夫して工事等の事業費を安くするか、というのは各技術部門の課題であり、総合技術監理部門が対象とする課題ではありません。

しかし、観点を変えて、あなたの今所属している組織から考えて見たらどうでしょうか。
その観点に立てば、この「5つの管理技術」の重要性がよくお分かりいただけるはずです。
なぜなら、「5つの管理技術」である、いかにお金をかけずにやるか、いかに人を育てていくか、などというのは、あなたが所属している組織が抱える普遍的なテーマそのものなのです。
プロジェクトの責任者として首尾よく遂行させていく上では、当然、ベースとして当該の技術分野における専門技術がなくてはなりません。
しかし、それだけでは片手落ちで、いかにしてコストの面でプロジェクト内の調整をつけるか、というバランス感覚も絶対に求められます。
また、責任者であれば、当然後継者を育てる、という責務もありますから、プロジェクトを遂行しながら人も育てていかなくてはならない、という、これもバランスです。
このようなバランスを、社会環境、安全管理、そして情報管理についても行っていかなくてはなりません。
技術者としてそのようなバランスがとれていないと、あなたの組織の社会に対するサービスが継続的に実施していくことができないからです。
社会があって、はじめてあなたの組織があるのです。
したがって、社会のルールに適合したプロジェクトの遂行ができなければ、いかに工学的にすばらしい技術をもって課題を解決したところで、社会的観点からは決して高く評価されはしないのです。

いわゆる「技術屋」、「職人」という存在があります。

敢えてあなたのために誤解を恐れずに言えば、このような方々は、組織としてバランスが重要であることを理解しているかどうかという点からいえば、不完全な存在とも言えるのです。
技術業務は任せられても、組織経営は任せられない存在なのです。

 
ローダ

総合技術監理部門試験対策その3

択一式問題対策は音読とヒヤリングで6割を目指す

技術士総合技術監理部門をあなたが目指す場合、最初の難関は「5つの管理技術」をいかに理解するか、ということになるでしょう。筆記試験、口頭試験とも、いずれもこの「5つの管理技術」に関する理解が前提になります。

総監学習は『総合技術監理部門キーワード集』から

文部科学省のウェブページに、『総合技術監理部門キーワード集』というものが掲載されています。

このPDFファイルには、A4版38ページに渡って、900個を優に越える総合技術監理部門に関するキーワードが列挙されています。このほか、『総合技術監理部門キーワード集』には総合技術監理についての概説なども含まれています。

 

総合技術監理部門の試験に合格して総監技術士になるためには、まず択一式問題においてある程度の得点が必要になりますが、この『総合技術監理部門キーワード集』に記載されている難解用語の膨大な量にまず圧倒されてしまいます。

 

かつてはこのキーワードが全て『技術士制度における総合技術監理部門の技術体系(第2版)』という日本技術士会が発行していた冊子に記載されていましたので、それを購入し、マスターするだけで対策が可能でした。

しかし現在は、前述の『総合技術監理部門キーワード集』のみが提示されているだけで、各キーワードの意味や背景などといった必要な情報の収集は、各受験者に委ねられています。

 

しかも、キーワード集は、『総合技術監理部門キーワード集2020』、『総合技術監理部門キーワード集2021』といった具合に、毎年、若干数が入れ替わる模様です。

実際の記述式問題には『キーワード集』以外からの出題がある

前述の文部科学省のウェブページには、『総合技術監理部門キーワード集』について、次のような断りが記載されています。

 

「それぞれの管理分野のキーワードは各管理分野の基本となるキーワードを整理したものであり、すべての関連キーワードを網羅しているわけではない。
(総合技術監理部門の概念及び技術体系を示すものであり、試験範囲を示すものではない。)」

 

つまり、択一式問題の全40題の中には、キーワード集の範囲外からの出題も存在するのです。

例えば、次のような出題です。

 

・・・・・

無人航空機は、緊急時の情報収集をはじめとする様々な場面での活用が期待されている。無人航空機(航空法によるもの)を飛行させる際に順守すべき事項に関する次の記述のうち、もっとも適切なものはどれか。

①無人航空機及びその周囲の目視による常時監視には、双眼鏡による常時監視や補助者による常時監視は含まれない。

②屋内であっても人口集中地区は航空法の規制対象となるので、他の条件によらず飛行に国土交通大臣の許可が必要となる。

③無人航空機を用いて農薬を散布する場合には、国土交通大臣の承認は必要ない。

④無人航空機の操縦や画像伝送に利用する無線通信システムは電波法令の規制対象外となるので、使用する周波数と送信出力によらず飛行に無線技士の資格は必要ない。

⑤無人航空機を用いて計測機器を設置する場合には、他の条件によらず国土交通大臣の承認が必要となる。

(令和2年度出題)

 ・・・・・

これは、いわゆる「ドローン」についての出題ですが、今後各分野で活用される可能性のある新技術という点で総監技術士であれば関心を持っていてもよい分野ですが、問われているのは航空法に関するものであり、一般常識の範囲からしてもかなり難易度の高いものと言えます。

少なくとも、『総合技術監理部門キーワード集2020』には無人航空機についての記載はありません。

そうした意味で、『総合技術監理部門キーワード集2020』のみを学習した受験者にとっては、正答不能な出題、と言えるでしょう。

このような出題に対しては、せいぜい明らかに正答出ない選択肢を除外して、正答の確率をゼロから少しでも引き上げることぐらいしか、手立てがありません。

「難易度は昔より上昇している」と言われる択一式問題だが・・・

このように、『総合技術監理部門キーワード集』から出題されず一般常識でも対応できないような設問は、例年、数問は出題されています。

また、キーワード集に関する出題であっても、各選択肢のかなり細かい部分でようやく正否が判別されるなど、難易度がかなり高い出題もあります。

そのような、正答が困難な出題の割合は、年度にもよりますが、概ね2割程度はあるでしょう。

総合技術監理部門の難易度は以前よりかなり上昇していると言われていますが、こうしたことがその背景にあるでしょう。

 

ただ、そうした正答困難な出題がある一方、一般常識で正答可能な出題や、キーワード集を学習している人なら容易に正答に辿り着ける出題も、例年一定割合で出題されています。

例えば、次のような出題です。

 

・・・・・

いわゆる技能実習法(外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)に基づく外国人技能実習制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

①    技能実習生を受け入れる企業は、実習生のグループ単位で技能実習計画を作成しなければならない。

②    技能実習生は、初年度に2か月間の講習を受講することをもって、2年度目以降の技能実習に進むことができる。

③    技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない。

④    技能実習生の賃金は、使用者と実習生が最低賃金法による最低賃金を下回る賃金で合意し労働契約を締結した場合は、合意した額とすることができる。

⑤    技能実習生は、日本国内において最長10年間の技能実習を受けることが可能である。

​​(令和2年度出題)

・・・・・ 

これは、技能実習制度についての出題ですが、技能実習が労働力の需給の調整の手段として行われてはならないということは技能実習法の基本理念ですし、選択肢③を素直に読めばこれが正答であることに疑いは生じないでしょう。

 

このように、正答が困難な出題が2割程度は出題される一方、こうした正答が容易な出題も、例年、同程度は出題されていると言えます。

そして残りの6割程度が、キーワード集に基づいた適正な出題であると言えます。

 

このようなことから、総合技術監理部門の択一式問題については、容易な問題を確実に正答し、困難な問題も正答の可能性を高める努力を続けると、結果として6割、7割の正答を得ることは困難とも言えません。

900個ものキーワードについての情報収集は参考書だけでは不十分

これまで述べた通り、総監の択一式問題は『総合技術監理部門キーワード集』に基づいて学習を進めることで、6割以上の正答を得るのは十分に可能です。

ここで問題になるのが、各キーワードについての情報をどのように集め、どのようにマスターするか、ということです。

 

まず、収集については、市販の参考書で基礎的な情報を集めるのは可能です。

ただ、先述の通り、かなり細密な部分で正否が分かれる出題も多く、参考書だけで6割、7割の正答を得るのは困難かもしれません。

よって、それを補うために、独自の情報収集をする必要があります。

これについて、インターネットで検索するのは簡便な方法です。

ただし、ネット上の情報は玉石混交であり、決してキーワードの全体像をまとめているものばかりではないことに注意が必要です。

また、仮に参考書を頼りにネットで情報を広げていったとしても、そうしたキーワードがおよそ900個にも上るわけですから、その全てについて的確に情報をまとめることは、特に時間の無い技術者にとっては容易ではありません。

そのことは、多くの技術士が総合技術監理部門を目指すことに二の足を踏んでしまう、十分な理由になると言えるでしょう。

総監学習においては音読とヒヤリングによる「超効率学習」が役に立つ

また、収集した膨大な情報は、集めただけでは意味はなく、それを頭脳にインプットしなければ、得点に結びつけることはできません。

これはこれで、また大きな関門です。

『総合技術監理部門キーワード集』の中には「ハインリッヒの法則」「持続可能な開発目標(SGDs)」といったように、言葉の意味を理解すればよいものだけでなく、「階層化分析」「リスクマネジメント」など、言葉の意味だけではなく、図表などを用いて概念としてインプットする必要があるものも多くあります。

 

これら900個以上ものキーワードについての膨大な知識を漏れなく理解するには、忙しい技術者の立場であればあるほど、工夫を凝らす必要があります。

本講座の書籍である『聴く!技術士二次試験一発合格のツボ』では、技術士の二次試験対策として作成した技術ノートを、スキマ時間に音読とヒヤリングを繰り返す「超効率学習」の実践を提唱しています。

膨大な業務も抱えて総監学習にまともな時間を割けない技術者にとって、移動時間や待ち時間といった、毎日の24時間の中に細切れに存在する数分単位の時間を、こうした超効率学習に充てることは、大変重要です。

そうすることで、多大な労力をかけることなく総合技術監理部門の択一式問題の合格に必要な最低限度の知識をマスターすることができるからです。

 

あなたが、技術士としての忙しい生活の中で学習効率を最大にするには、通勤や就寝前といったちょっとした時間にでもできるヒヤリング、そしてインプットされた知識を頭の中で整理する音読。
これがきわめて効果的といえるでしょう。
本講座でご用意している『総監キーワード攻略法』は、こうした総合技術監理部門の択一式問題の対策として、6~7割の正答を導くために必要な最低限の総合技術監理部門の知識を集約し、テキストと音声ファイルにまとめたものです。

この音声教材を携帯端末などに落として、電車の中などでボーっと聴いてみてください。
また、夜、子守唄代わりにボーっと聴いて見てください。
会社の昼休みなどに、耳にイヤホンを突っ込んで何度もボーっと聴いてみてください。
何度も・・・、何度もです。
それを、まずは一ヶ月ほど、続けてみてください。
ただし、何度も・・・、何度もです。
回数を数えているようではいけません。
数えきれないほど、何度も何度も、何度も何度も、ただひたすら繰り返すのです。

すると、そのうち、あなたに一つの変化が訪れます。
一言で言うと、「飽きてくる」ということです。
1倍速で聴いていると、そのうち1倍速のスピードを遅く、もどかしく感じるでしょう。
そう感じてきたら、教材の中で用意している1.5倍速ファイル、2倍速ファイル、3倍速ファイルについて、次に再生スピードが早いファイルを携帯端末などに落として、再び何度も繰り返しヒヤリングしてみてください。
 

このようにすることで、全編の学習に要する時間が、どんどん短くなっていくのです。
でも、ここでも、ボーっと、ということで十分です。
1倍速の場合、全編を再生するのに、およそ8時間程度を要するのですが、これが1.5倍速になると6時間に。

そして、2倍速の場合は4時間程度、3倍速までいくとなんと3時間で、キーワード集全ての学習を終えてしまうのです。
もう、そうなると、好きな音楽なら音符を見なくても全てのメロディが脳裏に刻まれてしまうように、ボーっとしているだけでもあなたの頭脳には総合技術監理部門試験の合格に必要な知識が自動的にスルスルスルっと格納されてしまうのです。

 

こうしてヒヤリングをマスターしたら、次は音読に励むようにしてください。
キーワードに関する解説をまとめたテキストを、ぜひあなた自身で音読してみてください。
これも、最初は1倍速からはじめましょう。
ボーっと、というのはそのままで結構です。
ただし、何度も・・・、何度もです。

そのうち、1.5倍速、2倍速とどんどんスピードを上げて、回数を稼いで行きましょう。
また、苦手なところだけをピックアップしたりして、なるべく効率化を図っていきましょう。
しかも、いずれも空き時間を利用して行いましょう。

 
鉄道駅

総合技術監理部門試験対策その4

記述式問題の巨大設問に圧倒されない

現在、総合技術監理部門の筆記試験は、午前中に択一式問題、そして午後に記述式問題が出題されています。このうちの記述式問題は、近年、かなりの難問となっており、多くの受験者を悩ませています・・・

総監記述式問題は長文・複雑の難問だが、対処法を知ればむしろ有利

現在、総合技術監理部門の筆記試験は、午前中に択一式問題、そして午後に記述式問題が出題されています。
このうちの記述式問題は、近年、かなりの難問となっており、多くの受験者を悩ませています。
総合技術監理部門の過去問題は次の日本技術士会のホームページに掲載されています。
  過去問はこちら⇒総合技術監理部門|公益社団法人 日本技術士会のページ
上記リンクを開いて、記述式の過去数か年分を開いてみてください。
一目瞭然なのですが、いずれも問題文が長く解答する上での細かな条件も多く、必然、答案も合計3000字にも及ぶ膨大な量になっています。

総合技術監理部門の創設当初は、筆記試験においていわゆる経験論文を模した記述式問題が出題されていました。
しかし、幾度かの出題傾向の変化を経て、ようやくこのような“長文、複雑”といった試験を実施する傾向に定着しつつあります。

しかも、令和2年度は「ヒューマンエラー」、令和元年度は「将来の自然災害のリスク」、平成30年度は「働き方改革」といったように、各年度で主題となるものは全く異なります。

 

しかし、そのことについてはあまり心配する必要はありません。
なぜなら、難しい問題に直面するのは、総合技術監理部門の受験者であれば誰しも同じだからです。
問題用紙を開いて長文問題を一瞥して溜息をつくのは、あなただけではなくて、すべての受験者がそうなのです。
ただ、あなたはその溜息の必要すらないかもしれません。
なぜなら、あなたはこの講座でそのような難しい問題への対処法を知ることになるからです。
総合技術監理部門にふさわしい難しいテーマであればあるほど、その対処法を知らない他の受験者と比べて、あなたはかなり有利になるのです。
むしろ、誰しもが取り組みやすい簡単な出題になって、あなたの実力の発現がはばまれることをむしろ心配すべきと言えるでしょう。

総監筆記試験の記述式問題では、問題文を見て、誰でもパニックに陥ります。
しかし、あなたには確かなアドバンテージがあるのですから、ある意味、“落ち着いて”パニックに陥り、そしてそこからしっかりと立ち上がってくることができるのです。

記述式問題は、まず題意をつぶさに把握していくのが最重要事項

試験開始当初はあなたもそのようにパニックには陥るのですが、いつまでもそのパニックに浸っているわけにはいきません。
まず、総合技術監理部門に特有の長文で複雑な問題文を、ひとつひとつ丁寧に読み解いていかなくてはなりません。
いったいこの設問は、あなたに何を、どのように答えさせようとしているのか。

総合技術監理部門の記述式とはいえ、試験問題として採点のポイントはあるわけです。
そのポイントを踏んだ答案でなくては、いくら力作のものを書き上げたところで、得点はできません。そうではなく、的確にポイントを踏まえた答案を端的に記載しておくことで、はじめて得点を稼ぐことが可能になるのです。

このように、的確にポイントを踏まえた答案を端的に記載した場合、文章はおのずと引き締まったものとなります。
答案の文章量が需要なのではない、という意識を持ちましょう。
総合技術監理部門筆記試験の記述式問題においては、いかに題意、すなわち答案作成上のポイントを的確に拾い上げたかが、得点の多寡に直結するのです。


といっても、答案のポイントを把握することは、本質的にはさほど難しくはありません。
なぜなら、長文の問題文の中に、必ずポイントは明示されているからです。
問題文を二度、三度と丁寧に読んでいくことで、それこそ、一言一句、漏れなく辿っていくように熟読することで、それはおのずと明らかになってくるのです。

 

総合技術監理部門の記述式問題は、例年、ある業務上の問題について総合技術監理の観点からの解決方法を述べさせる内容になっています。
当然、答案も長文になってしまいます。
このとき、解答法を何も規定せずに自由な解答法を許していては、答案の姿が受験者間でバラバラになってしまい、採点が非常に難しくなります。
したがって、例年、総合技術監理部門のこの長文の記述式問題には、必ず細かな答案作成上の制約条件が付されています。
答案のメインストーリーは先ほど申し上げた問題解決の考え方そのものです。
したがって、その内容を、設問で課される微細な条件に一つ一つ適合する形で答案形式にまとめていけば、合格答案を作成できるのです。

このように、いかに細かな題意までくみ取れるかが、高得点を稼ぐための前提条件になるのです。

以上述べたことは、総合技術監理部門筆記試験の記述式問題で6割以上の得点を稼ぐためには、きわめて大切な作業です。

答案の記述開始は、答案ネタと構成を整えてから

総合技術監理部門の筆記試験の最中、あなたの周りの受験者は、あなたがポイントを拾っている最中から、もうカリカリと答案用紙に書き込んでいっているかもしれません。
少々焦ってくるところでもありますが、あなたが答案文章を書き綴っていくのはまだ先の作業です。
まだやるべき下処理があるのです。

なぜなら、まだ段階としては、あなたが答えるべき点が明らかになっただけであって、まだそれらにどのように答えるのかというところが、答案ネタとしてまとまっていないからです。

近年は、受験者に対して次のような断りが設問の中に含まれています。

「なお、書かれた論文を評価する際、考察における視点の広さ、記述の明確さと論履的なつながり、そして論文全体のまとまりを特に重視する」

こうした特段の断り書きについては、答案作成にあたって最重要の配慮事項になります。

書き下した答案が、この断りに適合したものであることが、合格答案の必須条件になるので、留意が必要です。


しかも、それらの答案に示す解決方法は総合技術監理の観点から評価されて適切なものに仕上がっていなければなりません。
総合技術監理の観点からふさわしいというのは、平たくいうと、5つの管理の観点などからみて、誰しもが妥当だと考える判断、行動が記載されているか否か、ということです。

 

したがって、答案ネタをすべて網羅したストーリーを描いて、さらにこうした総監的なエッセンスも答案の中に織り込んで、しかもそれを論文の形式をとれるほどの構成に仕上げておかなくてはならないのです。

答案の記述作業に入るのは、これらの作業の後になります。
時間にすると、総合技術監理部門の記述式問題の午後の時間の3時間半の半分くらいは、こうした論文構成までの作業に充てる必要があるでしょう。

こうした総合技術監理部門の答案作成までの準備作業は、合格するためには、そのくらい大切な作業と言えるのです。

答案の記述は、採点者の視点で読みやすく、読みやすく・・・

以上のような作業を終えて、いよいよ答案の書き下しが始まります。
ここまでくると、通常、ある程度の時間を消費していることでしょう。
しかも、あなたの答案用紙は、まだ真っ白けのままです。
あなたの周りの受験者は、ほとんどがすでに答案を数枚書き上げている・・・そんな状況です。
 

しかし、あなたはすでに合格レベルにある答案のネタと構成を作り上げています。
であれば、何も心配することもありません。
周りの受験生がいくら答案用紙を真っ黒に染め上げていたところで、それらが題意を得たものになっていなくては、得点は稼げないからです。
あなたに残された作業は、あなたのまとめた答案ネタと構成に忠実に答案ネタと構成を淡々と文章化するのみなのです。

この段階であなたが注意すべきなのは、採点者の目線で文章化していくことだけです。
言い換えると、あなたの用意した文章ネタがきちんと採点者に伝わるような、そんな読みやすい文章を書くように細心の注意を払う、ということです。

この文章作成のコツは、「聴く!技術士二次試験一発合格のツボ 」で述べていることと何ら変わりはありません。
ポイントは、短文化、短文の構成、そして接続語の適切な使用といったことになります。
 

ともかく、大事なことは、どんな問題が出ても、動じないことです。
動じないためには、そもそもその総合技術監理部門の試験で、試験官が我々の何を見極めようとしているのかについて、あなた自身の十分な理解が必須です。
そして、そのための訓練をたくさん積んでおくのです。
すると、その訓練をしたという実績が、あなたに自信という最高の切り札を授けてくれるのです。
これさえあれば、怖いものは何もありません。

 
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総合技術監理部門試験対策その5

口頭試験までに公益確保への情熱をたぎらせる

技術士総合技術監理部門の口頭試験ですが、技術士二次試験のそれと何ら変わることはありません。問われるポイントも変わりません。口頭試験の受け答えに自信をもってできているか、倫理観はあるか、技術士としてふさわしい存在か、ということを・・・

総監口頭試験のポイントは公益確保への情熱

総合技術監理部門の口頭試験においては、業務経歴票として提出した業務経歴の内容が正しいものなのか、口頭試験の受け答えが総合技術監理部門の技術士として的確で、なおかつ自信をもってできているか、倫理観はあるか、技術士としてふさわしい存在か、ということを再度確認されます。

こうした総監の口頭試験で問われることの本質は、敢えて言うと、あなたが今後、技術者として立派に業界をリードしていってくれるか、ということなのかもしれません。

そういった見立てを踏まえて、技術士総合技術監理部門の口頭試験における一番のポイントをご紹介しましょう。
それは、ズバリ、公益確保への情熱の有無です。

公益確保という言葉。

これは、総合技術監理部門の技術士としての最重要の資質のひとつです。

技術士として、というよりも、人間としての最底辺に横たわる、根源的な思想の部分です。
これが希薄な人、というのは、あまり人生を真剣に生きていない、魅力の乏しい人なのでしょう。

自分の技術力をもって社会に貢献したい、という意識。情熱。気魄。覚悟。

ここまで読んでいただいているあなたは、共感していただけるでしょうか。
もし共感いただけているのであれば、あなたが口頭試験に望む場合、ぜひ、根底にこのことを据えた口述を心掛けてください。
ただし、口先だけでは、いけません。
口に出した以上、本気で目指してください。

公益確保への情熱。
あなたは、技術士総合技術監理部門の口頭試験で、試験官に対し、いかに自分が公益確保に情熱を感じているか、ということを伝え切る覚悟で臨んでください。

多少青臭い表現になっても、恥ずかしがる必要は全くありません。
極端な言い方をすると、技術士試験の試験官はあなたの技術力の高さを計っているのではありません。
あなたを合格させることが、総合技術監理部門を生んだ背景から考えていいことなのか、それとも悪いことなのかを判断しているのです。

社会正義への清冽な思い。
少々打算的な言い方になりますが、これを強調されると、多少の問題には眼を瞑ってしまいたくなるのです。

 

逆に言えば、あなたは総合技術監理部門の技術士になった後も、いろいろな形、いろいろな場でこの公益確保への情熱を表現してください。

 

合格と引き換えに、あなたにはこの使命が社会から託されるのですから。