技術士二次試験 一発合格法

技術士二次試験の合格は、技術者として二度とないターニングポイント

一次試験の合格後、必要な経験年数を踏まえて初めて受験資格が生まれる技術士二次試験。

この技術士二次試験を受験する頃というのは、中堅技術者として業務が多忙を極めるときでもあり、多くの技術者が二次試験の合格の前で足踏みをしています。

しかし、この技術士二次試験は、あなたの技術者としての人生の中で、きわめて大きな転換点に位置する試験であると言えるのです。

 

では、この二次試験の合格によって、あなたの何が、一体どのように変わるのか。

これを端的にいうと、「人に使われる立場から人を使う立場へ」という、見える世界が全く異なるほどの転換になるのです。

 

あなたはこれまで、先輩技術者のもとで、その指示にしたがって様々な業務に取り組んできたのだと思います。

しかし、二次試験に合格した後は、技術士であるあなたの名の下で、業務が遂行されることになります。

あなたは、あなた自身の状況判断に基づいて課題を解決する仮説を立て、その中からもっとも良いものを選択して、行動を起こし、試行錯誤を繰り返しながら、最終的に問題を解決していくことになります。

つまり、自分で考えて、そして自分を使うのです。

場合によっては、技術士であるあなたの指示に後輩技術者が従う、ということもあるでしょう。

そのような時、あなたは技術士として、確かな技術と豊かな経験に基づいた的確な指示を下す必要が生じるのです。

 

このように、技術士二次試験の合格を機に、あなたの立ち位置が、指示を受ける側から指示を出す側に180度変わるのです。

これほどのターニングポイントは、その後の技術者人生の中でも、あまり訪れることはないでしょう。

そのような意味で、二次試験はあなたの人生の中で最も重要な試験であると言えるのです。

二次試験の合格には学習の「環境づくり」が重要

あなたは、この技術士二次試験に合格した後、さらに総監技術士へとステップアップしていくことになるでしょう。

そのような技術者としての成長プロセスを順調に歩んでいくためにも、二次試験においては、失敗経験をあまり重ねず、なるべく一発で合格したいところです。

ただ、そのためには、様々な合理的思考とその実践が必要になります。

 

とはいっても、学校を卒業して何年もたってしまうと、机に向かう習慣がすっかり途絶えてしまっているかも知れません。

であれば、この技術士二次試験の受験を契機に、自分専用の学習机を購入するくらいの気迫は欲しいところです。

欲を言えば、自分の書斎のような部屋を確保して、そこに入りさえすればいつでも学習スイッチが入るような環境づくりも大切なことです。

『リビングで学習しているけど、なかなか集中できないなあ・・・』

などと嘆く人がいますが、それは当然でしょう。

リビングのような誘惑の多い環境では、落ち着いて学習できるわけがありません。

 

モチベーションを持つということは二次試験をクリアする上で無論大事なのですが、その前提として、多少の障害があっても一度興したモチベーションを継続させられるような「環境づくり」がなければ、元の木阿弥になってしまいます。

学習の環境づくりは、これもひとつの「投資」です。

「投資」というと、株や証券といった、いわゆるマネーゲームを連想してしまいますが、あなたの貴重な時間を費やす、ということも、実は立派な投資行為に該当します。

あなたが今、二次試験に合格するためにこれからおこなう行為のすべては、本来の意味での『投資』になるのです。

二次試験の合格はあなたの低迷を打開する大チャンス

難易度の高い技術士二次試験という関門をいかに早くくぐり抜けるかということは、あなたの組織における評価を変える意味でも、たいへん重要な意味を持っています。

というのは、この二次試験に合格してしまうと、職場の同僚などといった周囲の人たちを含め、組織全体があなたを特別扱いし始めるからです。

 

見方をさらに変えると、あなたが日々の業務や人間関係に苦悩しているとしても、二次試験の合格というのは、そうしたあなたの停滞する現状を打開する絶好のチャンスになるとも言えるのです。

「仕事ができない」「人間関係が良くない」「組織に馴染めない」といった劣等感が、二次試験の合格という確たる証拠に基づく「自信」を得ることで、一掃されてしまうからです。

つまり、技術士二次試験に合格することで、あなたのビジネスライフが生まれ変わると言っても良いのです。

そうはいっても、あなたが二次試験に合格するためには、様々な方の協力を得た方が有利なことは間違いありません。

それに、こうした協力を得ることの効果は、単に二次試験に対する知識の幅と深さが広がるということにとどまりません。

添削してくれた先輩方が協力を惜しむことは、おそらくないでしょう。

しかも、協力してもらえるだけではなく、あなたの二次試験の合否に関心を持っていただけるようになるのです。

そしてあなたが二次試験に合格したら、きっとその方も喜んでもらえるのです。

技術士二次試験合格によってあなた自身の心も変ります。そしてあなたをとりまく周りの空気も変わるのです。

あなたがコンプレックスから開放される瞬間です。

港で貨物船

技術士二次試験対策その1

二次試験では「論理性」が重要であることを知る

技術士二次試験を合格することとその技術者の技術力に確定的な相関性はありません。技術者は経験に裏打ちされた確かな技術力を培うだけではなく、それを人に対して的確に伝える能力がなければ、合格レベルにはなかなか達しないのです。

 

二次試験の合格とその技術者の技術力に確かな相関性はない

技術士二次試験では、いったいあなたのどのような資質が問われることになるのでしょうか。
これについて、日本技術士会のホームページで技術士二次試験の実施大綱をみると、筆記試験の問題の種類の説明として以下のような記述があります。

     Ⅰ 必須科目 「技術部門」全般にわたる専門知識、応用能力、問題解決能力及び 課題遂行能力に関するもの

     Ⅱ 選択科目 「選択科目」についての専門知識及び応用能力に関するもの

     Ⅲ 選択科目 「選択科目」についての問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの

 

このように、二次試験で問われるあなたの資質は、予め示されています。

にもかかわらず、毎年、二次試験では不合格者が続出している、という実態があります。
永年経験を積んで実績を挙げているベテラン技術者でさえも、技術士二次試験では、何度も何度も躓いてしまっているというケースも、よく見聞きするところです。

だからといってそのように不合格を繰り返す技術者達の技術力が低いのかというと、決してそんなことはないでしょう。

むしろ、豊富な業務経験を持つ、信頼のできるベ技術者であることの方が多いでしょう。

では、そんな立派な技術者が、なぜそのような状態に陥ってしまうのか。

その理由について考えてみると、そのような技術士試験で失敗を繰り返すベテラン技術者は、豊富な経験をもとに業務は立派に遂行できるのですが、その自分の高度な技術力を、言葉や文章によって人に伝えるのが上手でないケールが多いと考えられます。
 

誤解を恐れずに言うと、二次試験の合格とその技術者の技術力には、確かな相関性はありません。

テクニックを習得してしまうと、専門の技術力が乏しい技術者でも合格してしまいますし、逆に、いくら業務経験が豊富でも、試験で得点を稼ぐ技術力が乏しい技術者は不合格の憂き目に遭いがちなのです。


つまりは、あなたも経験を積んで自分の技術的能力を高めるのは無論、それを人に伝える能力、これは論理的であることを意味しますが、これを理解しておかないと、二次試験の合格レベルには達しないのです。

このようなポイントがあることを冷静に意識しておきましょう。

物理実験室の機械

技術士二次試験対策その2

​​業務経歴票に「技術士の視点」を加える

技術士二次試験申込み時に作成する業務経歴票には、単純にあなたのこれまでの業務経歴を記載するだけでは不十分です。口頭試験を踏まえて、技術士二次試験に合格するにふさわしい視点で経歴書の書き上げる必要があるのです。

 

試験方式の如何にかかわらず技術的資質の重要性は不変

技術士二次試験といえば、永らく「技術的体験論文」がその代名詞となっていました。

今、二次試験を受験しようとされているあなたはご存じないでしょうが、この「技術的体験論文」というのは、業務の中で経験してきた技術的な業務経歴を、技術士としての視点から整理して、論文形式にまとめたもので、いわば、技術的資質は技術士としてふさわしいということを論文を通じて表現するものと言えます。

 

こうした論文形式は平成25年度に廃止され、その役割は現在、業務経歴票として存続されています。

これまで二次試験の筆記試験の一部もしくは口頭試験資料の事前提出資料と、形式は変わっても、常に二次試験において評価に供され続けているのです。
これは、技術士試験において技術的資質の評価に変わりはない、ということを意味します。


技術士法第32条にある「技術士とは・・・科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、分析試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者をいう」という文言にも、一切変更はありません。
すなわち、その時々の状況の変化によって選考方法こそは変化を遂げますが、上記の技術士たる人物を選び抜く視点は、何ら変わらない、ということなのです。

したがって、「技術的体験論文」はなくなっても技術士として求められる技術的資質の重要性は、一切変化はなく、むしろ、今後は業務経歴票という極めて限定された範囲であなたの技術的資質を表現させる必要が生じてきたという点で、むしろハードルは上がったと言えるでしょう。

業務経歴票で問われるのはあなたの技術的資質そのもの

 この業務経歴票というのは、実はそれまでも受験申し込み時に提出を求められていたのですが、平成24年度までの業務経歴票は、単なる業務履歴の羅列にとどまっていました。

単に受験資格を満たす業務経験年数があるかどうかを、会社の承認印を踏まえて証明する位置づけのものだったのです。

しかし、平成25年度の技術士試験制度の改定に伴い、業務経歴票はその重要性を格段に増すことになりました。

業務経験年数の証明というこれまでの役割は保ちながら、それだけではなく、さらにそのうちのひとつの業務において、あなたがいかに思考し、何をもとに判断し、どのような結果を残してきたのかを表現することが求められるようになったのです。

かつての「技術的体験論文」と全く同じ視点です。

しかも、「技術的体験論文」のように数千字ほどの枠のなかでそれをしっかりと書きあげるゆとりはなく、わずか720字というきわめて少ない分量で的確に記述しなくてはならなくなったのです。

しかも、提出は試験申し込みの4月。

 

このようなことから、二次試験の合格を目指すのであれば、試験申し込みの締め切り直前にやおら着手するのではなく、当然、何ヶ月も前から準備しておく周到さが必要です。

正月の段階ですでに業務経歴票の作成に着手したとしても、早すぎるということはありません。

 

なぜ、それほど早い着手が重要なのかというと、業務経歴票にはあなたの技術士としての資質が如術に現れることになるからです。

720字という極めて少ない文字数で、あなた自身が技術士としてふさわしいということを、読者である試験官に何の疑いも抱かせずに納得させなければならないのです。

 

ある意味、この業務経歴票はその後の二次試験の筆記試験より重視すべきもの、と言っても過言ではないでしょう。

なぜなら、この業務経歴票であなたが表現するのは、技術士試験で長きに渡り問われ続けているあなたの技術的資質そのものであるからです。

業務経歴の整理には「技術士の視点」が必要

業務経歴を整理するにあたっては、業務そのものの概要と、その業務でのあなたの仕事ぶりの概要、この二つの事項について記述しなくてはなりません。

このとき、履歴書や報告書をまとめるように、業務の内容や担当年月だけをサラサラっと整理していては、合格は困難でしょう。

先ほども申し上げたとおり、あなたの技術的資質が如術に現れるのがこの業務経歴票なのです。

あなたが業務で体験してきたことは、履歴書のように項目の羅列で表現できるものではありません。

その業務の背景には、顧客が当然なんらかの課題を抱えていたからこそ、業務として存在していたはずです。
そして、その課題を解決するためには、当然、技術的に様々な問題を解決しなければならなかったことでしょう。
そしてあなたがそれらの問題を解決するにあたっては当然、悩みに悩んで解決方法を考え出して、それを実行して、そのうちまた新たな問題にぶち当たって再び悩みに悩んで・・・。
あらゆる問題に対してあなたは、このような試行錯誤を延々と繰り返しながら、なんとか、なんとか解決に持ち込んでいった、という経過があったはずです。
 

こうした苦難を克服してきた経過を記載するからこそ、あなたの業務経歴票をみた試験官が、あなたを技術士としてふさわしいと認めるのです。

このように、単に業務経歴を整理するといっても、その業務にはどのような背景や目的があるのか、業務成果には顧客にとってどのような意義があるのか。
また、その業務を進める中でどのような技術的問題があり、どのような解決を図ったのか。
そこでいかに知恵を絞ったのか、そして解決まで持ち込んでいったのか。

この「技術士の視点」は、業務経歴票だけではなく、技術士二次試験を通じて必ず持っておかねばならない、極めて重要な視点です。

業務経歴は、経験の量や種類が多ければそれでよい、という単純なものではありません。
経験の質こそが重要なのです。

都市アーキテクチャモデル

技術士二次試験対策その3

技術ノートを持ち歩き、超効率学習を実践する

忙しいあなたが二次試験の択一式問題の合格ラインをクリアするには、膨大な専門知識を効率良く収集し習得する必要があります。その情報を蓄積する技術ノートの作成にあたっては編集思想を体系化し、知識の習得に工夫が必要です。

 

試験方式の如何にかかわらず技術的資質の重要性は不変

技術士二次試験の筆記試験は、例年、7月中旬の週末に実施されます。
総合技術監理部門を除く技術部門の筆記試験について次のような内容が公表されています。

令和二年度技術士試験合否決定基準.png

このうち必須科目というのは、建設部門や電気電子部門、機械部門といったそれぞれの技術部門ごとに出題される共通問題で、午前中の2時間に1800文字の記述式問題として実施されます。
一方の選択科目は、「建設部門-道路」「建設部門-鋼構造およびコンクリート」のように、各技術部門の中のそれぞれの各選択科目ごとに3問で合計3600字に渡る記述式問題として午後の3時間30分で実施されます。
このように技術士二次試験は、真夏の暑い最中の昼をはさんで合計5時間半にも及ぶ、心身ともにきわめてハードな試験です。
しかも、合否判定基準はそれらの出題に対し「60%以上の得点」とされています。
一次試験のときはこれが「50%以上の得点」ですから、その点でもハードルがは上がることになります。
このようなわけですから、あなたが行うべき技術士二次試験の筆記試験対策は、一次試験に際してあなたがおこなったそれよりも量、質ともに大幅に向上させる必要があるのは、言うまでもないでしょう。

筆記試験対策はあなたの技術力を体系化する唯一のチャンス

このような二次試験の筆記試験ですが、少し角度を変えて説明すると、筆記試験対策として行う学習というものは、あなたが技術的知識を体系的にマスターするための、ほぼ唯一といってもいいチャンスでもあります。

 

​​あなたの忙しい身の上では、実際のところ、毎日毎日が目の前の業務で精一杯になってしまうでしょう。
無論、日々の業務をこなすことは、得意分野を造り上げる上で大切なことです。
その日々の業務が、「経験を積む」という、あなたの技術的資質を養う貴重な場であることに疑う余地はありません。
業務の現場で味わう生の経験というものは、あなたにとって机上の学習の何倍もの意義があることでしょう。
ただ、業務ということは経験を選り好みすることができない、ということでもあります。
したがって、契約や業務命令に応じて業務をひたすらこなしているばかりだと、どうしても培われる技術力に偏りが生じてしまいます。
「得意分野」というのは、「技術力の偏り」の裏返しでもあるのです。
もちろん会社も、配置換え等によってあなたが様々な経験を積めるように配慮はしてくれるかもしれません。
しかし、会社もビジネスとして動いている以上、なかなかあなたの思惑どおりに育成してくれることはできません。
このように、あなたの体系的な技術力形成という育成の観点からすると、現場の経験というのは十全のものではないのです。
では、その経験で補いきれない部分は、どうすればよいか。
それは、あなたが、あなた自身で机上学習によって充実させていく他に方法はないのです。
それをやるか、やらないか。
あなたの技術者としての将来は、実はこの「それをやるか、やらないか」という二者択一に依存するといっても過言ではないのです。

​他に方法はないとはいいながら、机上の学習というのは、在りし日の受験勉強のような、地味で、根気の要る、なんともつらいものです。
忙しい日々にあっては、なかなか実行に移すことも難しく、しかもそれを続けていくとなると、さらにハードルは上がります。
しかし、筆記試験という明確なターゲットを設定することによって、あなたの意識は一変することになるでしょう。
そのような一見つまらない学習が、実はあなた自身を救うための試練なのだという認識にかわり、そして爆発的なやる気を引き起こすことになるからです。
あなたが現場で味わった生々しい経験も、専門分野の技術体系の中のどこかに必ず位置づけられるものです。
それが一体どのような位置づけなるのか、どの程度の値打ちがあるものなのか、ということは、こうした机上学習を行うことによってはじめて明確になってくるのです。

技術士二次試験を突破するには技術ノートが必要

あなたがそのような机上学習をおこなっていくにあたり、絶対に必要になるものがあります。
それが二次試験に関する「技術ノート」です。
この技術ノートは、これから収集していくあなたの選択科目、技術分野に関する様々な情報のすべてを、あなたが技術士をやめるまで蓄積していく、とても、とても大切なノートです。
とても大切な技術ノートになるからこそ、これを作っていくにあたっては、これから申し上げるいくつかの点に注意が必要です。

技術ノートには技術分野全体を網羅したカテゴリーを設定する

まず一つ目の大切な点ですが、それはあなたが受験する二次試験の技術部門や専門分野の全体を広く抑える、という視点です。
つまり、知識を泥縄式に貯め込むのではなく、予めきちんとしたカテゴリー、すなわち知識を仕分けする入れ物を作っておいて、そして収集した知識をしかるべきフレームにどんどん放り込んでいく、ということです。
この技術ノートの対象範囲は、あなたの専門分野や技術部門全体になります。
対象範囲は非常に広いため、技術ノート作りに際しては、初めは雲をつかむような、茫漠とした、なんとも手ごたえのない状況が続きます。
方や、技術ノート作りの最終段階においては、専門分野や技術部門全体がカバーされていなければなりません。
したがって、泥縄式にやっていくと、どうしても収集する知識にムラが生じ、ともすれば漏れも生じてしまうのです。
では、どうすればよいか。
そう。最初から全体をイメージしておくのです。
技術ノートづくりでは、対象範囲を網羅するカテゴリー(基本的な分類、大枠)をノートの中にはじめから作っておけばよいのです。
こうすることによって、技術ノート作りにおけるムラや漏れといったリスクを回避することができるのです。
業務などで出会った新たな知識が、専門分野全体の中のどのあたりに位置づけられるものなのかといったことが、最初の段階から把握できるのです。
すると、あたかも広大なパズルをひとつひとつ埋めていくように、あなたの自身の知識の蓄積の具合、不足の程度が、ノート作りの最中においても明らかになるのです。
そして、収集された知識も、アタマの中を所在なげにフラフラすることなく、しっかりとした幹、枝にぶらさがる体系化された知識として蓄積されることになるのです。

カテゴリーは参考書や過去問を参考にざっくりと設定しておく

このカテゴリーの作り方については、手っ取り早く参考書を使用する、という手があります。
建設部門や上下水道部門などといった受験者の比較的多い技術部門においては、多くの参考書が発売されています。
そこにはすでに専門知識が体系的に整理されていますから、それをもとに整理をすすめていくという方法があります。
ただ、あなたが受験する技術部門によっては、そのような参考書がない場合もあるかもしれません。
しかし、その場合でも、技術士二次試験の過去問をトレースすることによって、専門分野や技術部門において必要とされている知識の全体像はある程度見えてくるのです。
そのようにして、まずベースとなるカテゴリーを作っておいて、あとはそこに新しい知識をどんどん放り込んでいく、というスタイルで知識を収集していきましょう。

技術ノートのまとめ方はこれまでにお話したとおりですが、そのノート作りを通じて、あなたは筆記試験までに専門分野全般について網羅的な知識を習得しなければなりません。
こういうことを意識しながらノートを作ろうとすると、少々気負ってやらなければならないような気がしてきます。
しかし、技術ノートは最初から立派なものを作ろうとする必要はありません。
知識はいっぺんに身につくものではありません。
頭脳には少しずつしかインプットできないように、技術ノート作りも焦る必要は全くありません。
あまりに最初から意気込みすぎると、途中で息切れしてしまいます。
だから、技術ノート作りにおいては、地味な作業をコツコツと積み重ねていく根気を持続させる意識が大切です。

技術ノート作りには時代性の観点も必要

そして、ノート作りにおいてもう一つだけお話したいことがあります。
それは、時代性に注意が必要ということです。
情報源として業界雑誌などから最新の情報を仕入れてくることも、技術ノートとしてはとても重要です。
これは口頭試験のときに的外れな回答を避けるために必要なことでもあります。
というのは、参考書に記載されている技術情報などは、すでに古いものになっている場合もあるからです。
現在ではもう型落ちとされている技術をあたかも現在の有力な技術のように理解していると、口頭試験で思わぬ窮地に陥る恐れがあります。
これはあなたの知識の信憑性に通ずる、大変重要な問題です。

知識の時代性を十分考慮しましょう。

技術ノートの学習は、音読とヒヤリングを繰り返す

このような技術ノートですが、単にそれを作るだけでは、もちろん合格しません。
そのような膨大な知識を、あなたの頭脳に格納しなければいけませんし、さらにいつでもアウトプットできるようにしておく必要もあるからです。
いくら体系的に整えられているものでも、それはペーパー上での話です。
膨大な量のそれを頭脳に刷り込むのは、決して容易なことではありません。
忙しいあなたの身の上を考えると、なおさらです。
したがって、あなたが技術士二次試験に一発合格するためには、この技術ノートのマスターの仕方に工夫が必要になってくるのです。
その工夫について、すこしだけお話しておきましょう。
その工夫として私が推奨するのが、その技術ノートを繰り返し音読することです。
さらに、そのノートをあなたの声をマイクで録音して通勤時などにヒアリングすることです。
これらの音読とヒヤリングについての具体的なテクニックは、すべて『聴く!技術士二次試験一発合格のツボ』に記載しています。
丸暗記をしようとシャカリキになる努力そのものは否定しませんが、もっと効率よく知識を吸収できる方法として音声情報としてインプットおよびアウトプットすることにも、ぜひ挑戦してみてください。

技術ノートは必ず毎日持ち歩くことが重要

この技術ノートについて、最後にもうひとつだけあなたにアドバイスさせていただきます。
それは、この技術ノートは、毎日持ち歩くことがとても大切だ、ということです。
なぜなら、毎日持ち歩くことによって、いつでも気が付いたときにあなたが技術ノートを取り出せるからです。
技術ノートを一瞬でマスターするのは、常人にはできないことです。
ですから、なるべく技術ノートに触れる時間を長くしなければなりません。
なかなかまとまった時間が取れない中では、小刻みな隙間時間は、とても貴重な時間資源だといえます。
これらを有効に使えるように、常時技術ノートをカバンの中に忍ばせておくのです。
そうすることによって、あなたが技術ノートに触れる時間量は確実に増えていくわけです。 また、このように常時携帯することによって、普段の業務の中で新しい情報に遭遇した場合に、すぐに技術ノートに書き込めるという、技術ノートのアップデートも可能になるのです。

石油プラットフォーム

技術士二次試験対策その4

記述式問題は題意を踏まえ、模擬試験を繰り返す

技術士二次試験のヤマ場である筆記試験の記述式問題の対策は、たった3つのポイントを踏まえて答案用紙に臨むこと、さらに十分な事前準備を実施することで、劇的に結果が変わります。

 

記述式問題対策は3つのポイントに収斂する

このような記述式問題に対して、一発合格を目指すあなたは、いったいどう対処すればよいのでしょうか。
それは、実力をそのままに答案用紙に反映させるための解答技術を身につければよいのです。
すなわち、「得点を稼ぐ技術」です。
本番という環境は、誰しもが緊張に襲われます。
思わぬハプニングに心乱れ、思考も乱れ勝ちになり、結果として満足のいく内容の答案に仕上げられなくなることも、珍しくありません。
これを逆に考えると、本番に動じないだけの準備を尽くしておけば、あなたの実力は本番で遺憾なく発揮される、すなわち筆記合格はほぼ確実なものとなるのです。
不合格になる可能性を限界まで最小化させることが、一発合格を確かなものに直結するのです。

では、どうやって解答技術を身につけるか。
この解答技術の詳細については『聴く!技術士二次試験一発合格のツボ』で述べていますので、ここではざっくりとそのポイントを3つだけ、あなたにお知らせします。

その3つのポイントとは、
  ○題意をトコトン拾い抜く
  ○答案は骨格を作り上げるまで記述しない
  ○答案文は試験官が読みやすい文章で記述する
抽象的な表現ですが、実はこの3つにすべてが収斂します。

得点を稼ぐということは、すなわち採点者がよい採点をしてくれる、ということです。
ですから、あなたの答案は、採点者が得点を与えたくなる答案に仕上げなければなりません。
その、得点を与えたくなる答案というのは、“きちんと問いに対して的確に回答されている答案”にほかなりません。
長文だから、美文だから、という理由で高得点が生まれるわけではありません。
答案文は、言葉として表現すると膨大な量になる正答を、論述の形で採点者の前に供されるものです。
論述という姿を拭い去ると、そこには択一式問題と同じ試験問題の本質が残るだけです。
このように、答案は、完全に採点者に向いて記述されなければなりません。
答案に満足する主体は、あなたではなく、採点者なのです。
ですから、「とりあえず答案用紙は埋めた」と受験者が自己満足するような代物に、決して高得点は生まないのです。

また、この記述式問題は答案用紙を何枚も埋めていく論述式問題です。
長時間のテレビ番組に“構成”というものがあるように、長文の答案に対しても、読み手に配慮した“構成”の有り無しが、その出来栄えに大きな影響を与えるのです。

さらに、この答案は、ひとつひとつの文章が組み合わさったものです。
そのひとつひとつの文章が稚拙なものであった場合、これも高得点は望めません。
したがって、美文を目指す必要はありませんが、少なくとも読み手にとって容易に文意がつかめる文章にする。
これも非常に大切なポイントになります。
その容易に文意をつかめる文章にするには「短文化」、「一文一意」といったいくつかの方法がありますが、これらは『聴く!技術士二次試験一発合格のツボ』で詳述していますので、ここでは省略します。

二次試験合格の可能性を確実に上昇させる模擬試験

最後にもうひとつ、二次試験の筆記試験対策として大切なことをお話します。
あなたが一発合格を果たす上で、とても・・・、とても大切なことです。
それは、模擬試験の実施です。
模擬試験といっても、何も業者に受験料を払って行うような立派なものでなくてもかまいません。
あなた自身で行う模擬試験でも十分な効果が期待できます。
できる限り本番と同様のシチュエーションをあなた自身で作り出して、本番さながらに過去問題を所定の試験時間に沿って行うことが大切です。
筆記試験前までには、必ず数回、繰り返して実践しましょう。

本番の試験というのは、いかに手に汗握り心潰されるものなのか。
いかに体力が奪われていくものなのか。
そして、・・・いかに苦しいものなのか。

こうした本番独特の感覚は、本番でいきなり体感すると、思わぬ失敗を招きかねません。 逆にいうと、あなたがこのような周到な準備をやり尽くしていけば、合格の可能性は1%づつ確実に上がっていくのです。

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技術士二次試験対策その5

模擬口頭試験はリアルに実施し、そして録音する

筆記試験を乗り越えても、確実に不合格者が出る口頭試験。単に想定問答だけを数多く用意しても、不安を解消することはできません。口頭試験に確実に合格するために必要な準備を用意周到に行っておくことが合否を分けるのです。

 

口頭試験は対策が難しいからこそ、やるかやらないかで大きな差がつく

技術士二次試験の中で一番厄介なのは、意外にもこの口頭試験かもしれません。

もちろん、筆記合格者の多くがそのまま口頭試験にも合格する、という実績が確かにあります。
しかし、口頭試験というのは、技術的な試問に対して間髪いれずに適切な回答をしなければならないという、筆記試験とはまた別の力量が試されるものでもあるのです。
受験者の中には、実際の口頭試験の会場で、返答に詰まったり、緊張のあまり変な回答をしてしまったり、いろいろと大変な思いをされている方も多いようです。
だからといって、投げやりになって無策丸腰で口頭試験に臨むというのは、賢明ではありません。
そうではなく、対処が難しいからこそそこで差がつく、という発想で、ぜひ一工夫してみましょう。

口頭試験のポイントは、あなたが本番で落ち着けるかどうか

実は、その技術士二次試験の口頭試験で一番のポイントは、とても単純なことです。
それは、あなたが本番の試験会場で落ち着けるかどうか、この一点に対策の全てが収斂するのです。

したがって、あなたが確実に口頭試験に合格するには、他の受験者が苦心する対策について少し工夫を凝らせばよいのです。
 

試験に限らず、人が落ち着きを得るための最高の方法は、何よりも、場馴れすることです。
ですから、口頭試験の場を数多く体験して、あなたがそのような緊張を招く場所自体に慣れてしまえば、その他の受験者とは大きな差が生まれてくるのです。
しかし、「口頭試験は毎年1回しかないんだから、場数など踏みようもないじゃないか」と思うかもしれません。
いいえ。それが、工夫次第でいくらでも場数を踏むことができるのです。
本番は確かに年一回しかありませんが、口頭試験のシチュエーションは、本番以外でも設定することは可能です。
 

そのシチュエーションの作り方ですが、これはいたって簡単です。
自分自身に対して口頭試験を行えばよいのです。
本番さながらの状況をあなた自身が作り出して、本番さながらの手厳しい質問を、あなた自身に対して投げかけてみるのです。
そして、本番同様、あなた自身がその質問に対して、敢えて狼狽してみるのです。
そう。これが、模擬口頭試験です。
あなた自身がセルフプロデュースする、本番さながらのきわめて有効な予行演習なのです。

模擬口頭試験は録画、リアルに、そして録音することで効果が倍増する

このとき、場所は実際の二次試験の口頭試験と同じように、すこし小さ目な部屋の真ん中に椅子を置き、部屋の外から、ドアをノックして
「受験番号○○番 ○○○○です」
お辞儀をしたうえで、ドアを閉めて、わきの座席に鞄を置き、着席するのです。

ただし、部屋の中には、あなた以外に誰もいません。
完全にあなた一人で口頭試験をシミュレーションするのです。

そして、あらかじめ用意しておいた「こんな質問、されたくないなぁ~」という意地悪な質問ばかりを、所定の試験時間まで、あなた自身に投げかけてみるのです。
試験官が厳しい表情、口調であなたに問いかけている姿をイメージしながら。

そして、シドロモドロになりながらも、その質問に端的に答えようと、時間までもがき苦しむのです。

この模擬口頭試験は本番さながらに行うものなので、当然、回答し直しは効きません。
そのシドロモドロも含めたすべてが口頭試験のあなたの評価に直結します。
ですから、あなたが回答にまごついてしまってリカバーができなかった場合、その回は不合格判定となります。

このような、口頭試験さながらの緊張感にまみれながら、数限りなく苦しんでみてください。

​このとき、回答に苦しむのは問題ありませんが、それを決して表情に出してはなりません。
そして、必ず次のポイントを意識しながら回答してください。
  ○質問のポイントを確実にとらえる
  ○そのポイントに対し、饒舌にならず、端的に答える
  ○試験の場にふさわしい言葉遣い、振る舞いになるよう端々まで注意を払う
そして、ぜひ、それを録画、録音して、第三者目線であなた自身の回答ぶりをレビューしてみてください。
きっと、本番に向けて多くの反省点が見つかると思います。

このような模擬口頭試験を、本番までに数十回となく繰り返し、場数を稼いでみてください。
このようなトレーニングを積んでいると、そのうち「多少うろたえても、まあ、なんとか、きっと回答できるだろう・・・」という、悟りの境地に至れるはずです。
これこそ、本番であなたを合格へ導く“落ち着き”にほかなりません。

本番の会場では、ほとんどの受験生があなたの口頭試験直前まで、ソワソワしながら、ハラハラ、ドキドキしながら、手元のアンチョコをのぞき込んでいます。
とても不安そうな心境が手に取るようにわかります。
なぜ、そのように不安がるのか。
それは、口頭試験に対し、あなたほどの手間をかけていないからです。
しかし、あなたは手間を惜しまず、場数を踏んでいます。
きっと、そんな落ち着きのない姿勢は見せずに済むでしょう。

理想を語れる正義漢たること。これも技術士口頭試験対策の秘訣

あと、二次試験の口頭試験について、細かいアドバイスをお話しておきます。
まず、丁寧な受け答えをするのは、言うまでもないことです。
口頭試験は試験官とのコミュニケーションですから、試験官の質問をあなたが理解して、そしてあなたの考えを相手に伝えて、そして相手がそれを理解してはじめて成立する、情報のやりとりなのです。
無理に元気に振る舞う必要はありませんし、「立て板に水」の流暢さも必要ありません。

むしろ、早口、小声、割舌の悪さは、録音を聞いた上で改めた方が良いでしょう。
先ほど述べたとおり、録音、録画すると、あなたの口調が、言葉を発したあなた自身の体感とは全然違うことに気が付きます。
逆にいうと、録音、録画をしない限り、それはわかりません。


そして、理想を語れる正義漢たること。これも秘訣です。
試験官に良い印象を与える方法として、非常に有効です。

というよりも、技術士試験云々以前に、人間としてとても重要な資質です。

 

このような健全な理想は、一朝一夕に培うことはできません。
本講座は、あなたが普段から理想を探求する人であって欲しいと、心から期待します。